「凛先生…?」

そうだ。
間違いない。あれは、凛先生だ。

こんな時間になにを…?
つーか、一緒にいる人誰だ?随分仲よさそうだけど。

もしかして、恋人…?

い、いや!
おれバカじゃねぇの!?

男同士だぞ!?
あるわけねぇじゃん!

でも――…

ズキン――…ッ。

?!
まただ…。

また胸が痛い。
なんなんだ…?

胸の痛みに悩まされているうちに2人はあまり人目に付かないような細道に入っていった。

「あんなところなんにもないのに…なにしに行くんだ…?」

気になる―――…。
おれは2人が完全に角を曲がりきったのを見計らい2人のあとをつけてみることにした。

なんか悪いことしてるみたいだけど――…
なんでこんなにモヤモヤするのか分かんないんだけど――
あの2人のことが気になって仕方がない…

見失わないように、でも気付かれないようにおれは2人の後をついていく。
2人が足を止めたのは、小さな空き地みたいなところ。

おれは細心の注意を払って、2人の会話が聞こえるところまで近づいていった。

そこでおれが見た光景―――…
それは…

「あの……僕、綾瀬さんのことが好きです!
つ、付き合ってください!」

!!??
えぇぇえ!?
こ、告白ぅ!!??

え?
だって…今告ったの男の人だよね!?
それに、相手は凛先生だろ!?

しかも、その人超顔赤いし…!

……
凛先生はなんて答えるんだ?

おれはドキドキしながら凛先生の答えを待った。
きっと、凛先生ならやわらかく断るはず!

しかし…。

「ふぅん。
じゃ、ヤラせてくれる?」

え…!?
今なんて……?