「お前、本当に園をやめることになったらどうするつもりだったんだ」

「……」

「両親が海外にいる中で、未有が保育園をやめることになったらお前も学校をやめなければいけなくなる。分かっていたのか?」

「だって!あのままだとお前が保育園をやめることに……!」


おれは、凛にはこの保育園をやめて欲しくなかったから……。

だから、おれたちがやめれば凛はやめなくて済むと思ったのに……。


「さっきも言っただろ?

おれはどうとでもなるんだ。でもお前は高校生だぞ?両親がいない今、未有を守るのは誰だ?
流架、お前だろ」

「……」


凛の妙に説得力のあるその言葉に、おれは何も言えなくなってしまう。


……そうだよな。


母さんたちがいない今、未有を守れるのはおれだけ。

それなのに、未有に余計淋しい思いをさせるわけにはいかないよな……。