再び始まった『退園コール』におれたち皆、口が塞がらなくなってしまった。

なんだって話がそんな跳んでる?

だって、おれも今凛に新しい保育園を見つけるのは容易じゃないって言われたばっかりなのに……。

こんなにたくさんの人たちがすぐに保育園なんて見つかるのかよ?


「ちょ……ちょっと!お母様たち!!落ち着いてくださいっ!

お、お子様たちは……、ここに通っているお子様たちはどうするんですか!?」


おっさんがかなり脂汗を滲ませながら、必死に食いかかる。


でも、お母さんたちは冷静で……。


「仕事を辞めてでも、家で育てます」

「そうなると、園の経営者さんたちはさぞ困るでしょう……?」

不敵な笑みを浮かべながら、そう言うお母さんたちの目は真剣そのもの。


つーか、凛ってすごいお母さんたちにすごい影響を与えてたんだな……。


改めてすごいヤツ……。


「凛先生はこの園にとって必要だと思います」

「もちろん、流架くんだって!」

「は?おれですか!?」


なんで?

おれなんて、ただ未有を送り迎えしてるだけの高校生なのに……。