突然、扉が開かれ室内に大きな声が響き渡った。

「え……?」

その場にいた誰もが驚き、扉に目を向けるとそこには……。

「お、お母様方……!?」

突如扉を開けたのは、この保育園の保護者の面々。
中にはおれの見知った顔も何人かいた。

園長はそれに気付いて、驚きの声を上げた。

「そのお話、待ってください!」

一番先頭にいたお母さんが、足を踏み出し園長の前までやってきた。

他のお母さんたちも続々とそれに続いて、入室……。

つーか、一体何人いるの?

次から次へとお母さんたちが入室してきて、園長室はあっという間に満員になってしまった。

お母さんたちの血相もただ事ではなく、皆息んでいる。

なに!?
なにが起きるの!?

「失礼かと思いましたが、先ほどのお話聞かせていただきました」

「え……?」

代表のお母さんは、まっすぐに園長とおっさんを見ながら話を続けた。

うそー!?

ってことは、ここにいる全員におれたちの関係ばれちゃたってこと……!?

もしかして、こんな不埒な輩は保育園から追い出せってことを言いに……!?

いよいよおれたちこの保育園にいられないのか!?


……でも。


お母さんたちの話を聞いていると、どうやらそうではないらしい事が分かってきた。