「先日一緒に出かけたとき、偶然にも片岡さんに目撃されていたようで、今ここにいるという事です」

「な……!?
でも、たかが一緒にいただけだろ!?なんで呼び出されんだよ!?」


凛は分かりやすすぎるほど簡潔に話してくれたけど、おれは納得がいかない。

だって、偶然一緒にいただけかもしれねぇじゃん!

このおっさんに何が分かんだよ!?


「一緒にいるところだけじゃないんですよ。その先も……」

「は?その先!?」


あの日、なんかあったか……、あっ!!

そういえば、あの日いつも以上にエロっぷりを発揮していた凛に、道の往来でキスされたんだっけ……。


ってことは、それをこのおっさんに見られたってこと!?

つーか、そもそもなんでわざわざ離れているところまで出かけたのに遭遇してんだよ!?

うわー!
キスシーン見られるなんて恥ずかしすぎる!!


俺はその状況を思い出してしまい、ついつい顔を赤らめてしまう。

どうしよう、どうしたらいいんだよ!?


「……ゴホンッ!
あー、こんな事が露見してしまったら今後の保育園の運営に差障りが生じ、他の園児他保護者にも示しがつかない。分かっているね?」

「はい」


おっさんは自分の世界に入りきってしまったおれに向かって咳払いを一つすると、凛の方を向いてなんだかすごく意味深に問いかけた。


なんだよ……。

なんか、すごく嫌な予感がする……。