「突然呼びたててごめんなさいね、五十嵐くん」

園長先生が、立ち上がっておれに凛の隣を席を勧めてくれた。

「あ、ありがとうございます……」

おれは、勧められたまま凛の隣に腰を下ろす。

その途端、室内にかなり気まずい沈黙が流れた。

な、なんだ……!?
この重苦しい雰囲気は……。

園長先生は微笑んだままだけど、おれの正面に座るおじさんの雰囲気が険しい。

凛も凛で、難しそうな顔してるし……。

はっ!!
まさか、おれ……っ。

「あの!」

「え?」

沈黙が耐えられず、思わずおれは口を開くと、一斉に3人はおれの方を向き、おれの次の言葉を待っていた。

「もしかして、おれたち保育園クビですか!?」

「は?」

「え?違うの?」

保育園にクビとかそんなのがあるのかは知らないけど、こんなお偉いさんっぽい人と、園長先生、そして担任の凛が揃って話があるっつったらクビってことじゃないの……?

「ふふ、違いますよ。
保育園お子さんをお預かりするところですから、クビなんてことはありませんよ」

「そうなんですか……」

にこやかに話してくれる園長先生の言葉に、場違いにも感心してしまう。

「……流架くんは少し黙っていた方がよろしいのでは?」

そんなおれに止めを刺すように、凛が隣で呟いた。

!?
なんだそれ!失礼なヤツだな!!