光輝との事件(?)があってから1ヶ月――。

それからはおれの周りは何事もなく無事に過ごしていた。

凛は、この間無理やり帰したことでしばらく拗ねていたんだけど……。

ったく、ほんっとそう言うとこガキだよなぁ。
年上だけど!

んで、仕方なく……ほんっとに仕方なく、またおれからキスしてやったらけろっと機嫌も戻っていつもの凛になっていた。

そして、休日になると、あまり知り合いのいないところまで未有と一緒に出かけたり、二人でデートしてみたり……。

相変わらず、凛はエロエロで、ところ構わずおれを襲おうとしてきたけど。
まぁ、それはそれで楽しかったり、嬉しかったりするからいいんだけど。

光輝や大介たちとも変わらずつるみ、時間が出来た時は一緒に遊びに行ったりもした。

こっちも相変わらずで、暇さえあれば2人がケンカして、それを見ておれが楽しんでるっつーか。

とにかく、平和に過ごせることを嬉しく思いながら、おれは毎日を楽しんでいた。

しかし、その平穏な日々もある1人のお偉いさんによって崩されることとなった――……。

「お世話になりましたー」

いつものように学校の授業を終え、保育園に向かい未有のクラスに顔を出す。

「あ、流架くん。おかえりなさーい!」

そんなおれに、先生たちはいつもと変わらず、笑顔で迎えてくれたけど、ただひとつ違っていたのは……。

「あ、れ?綾瀬先生は……?」

そう。
室内を覗き込むように姿を探してみても、いつもそこにいるはずの凛の姿がなかった。

もう上がったのか?
でも、今日はそんなに迎えに来るの遅くなってないよな……?

それに、最近は早上がりだったら連絡くれてるし。

どうしたんだろ?