「は……っ、はぁ、はぁっ」

「包み込んだだけなのにな。 よく我慢してたな」

誰が我慢させてたんだ!!

……と、罵りたいところだけど、射精後の虚脱感から力が入らず、おれは荒く乱れる呼吸を整え、目だけで凛を睨み付ける。


すると、

「ふ……っ、んんっ」

凛はご褒美と言わんばかりに、おれの口唇を塞ぎ、深く口付けてきた。

舌を差し込まれ、口唇を貪られる。

それに応えるように、おれも自ら舌を絡ませた。

凛に言ってやりたいことは山ほどあるけど、光輝とのそれを忘れるために、おれはただひたすらに凛の口唇を追い求める。

口元から飲み込みきれない唾液が滴るのもそのままに、何度も何度も角度を変えながら、舌を絡ませあった。

そして、徐々に酸素が欠乏してきた頃、名残の糸を引きながら、おれたちの口唇は離れた。

「ふ……っ、んぁ……」

まだ焦点の定まらない目で凛を見ると、その顔はとても満足そうな表情をしていた。

「珍しく積極的だな」

「っるさい!
つーか、いい加減これ外せよっ!!」

我に返り、凛の顔を見るなり思いっきり悪態をつき、未だ素っ裸のまま縛られている腕を主張するように身体を揺さぶる。

しかし、凛のあの満足そうな顔を見ただけで、許してもらえると思ったおれの考えは浅はかだったとすぐに後悔することとなった。

「なんで?」

は?

おれは、凛の発した言葉に文字通り、言葉を失ってしまう。

「なんで……って、だってもう……!」

あれだけ意地悪したんだからもういいだろ!?

それに、これ以上ナニかされたらおれの身体が壊れる!!

そんな意味も込めて、言ったのにおれの願望は凛のその一言でことごとく打ち砕かれた。

「まだキレイにしていないところがあるだろ?」

「!?」

キレイにしていないところって……。

まさか!?

嫌な予感がして、自由の利かない身体を少し浮かせて下腹に目を向けると、すでにおれの両足は抱えあげられ、凛の眼前に秘部をさらけ出す格好を取らされていた。