「や、やだ……っ!
り、ん……っ、凜――!!」



――挿れられる……!



そう思った瞬間、おれは思わず来るはずのない、恋人の名を叫んでいた。



「……あいつよりイイってこと、判らせてやるよ」



光輝は、低くそう呟くと、さらにおれの腰を深く抱え直し、後孔にあてがったソレを押し進めようとしてきた――……その瞬間。



「流架!」


「……!!」


「!?」



リビングのドアが勢いよく開け放たれ、そこに立っていたのは、
さっき帰ったはずの、愛しい男の姿。



「凜……」


凜は肩で息をしながら、おれたちを視界に捕らえると、驚愕の表情を表した。




凜が……、凜が来てくれた……。


さっき帰ったばかりなのに、とか、
なんで戻って来たのか、とか、
そんなことを考える余裕もなく、ただただ、愛しい人が助けに来てくれたということが嬉しくて、再び目から涙が溢れてきた。



そんなおれを見て、凜は光輝を睨み付けながら、ゆっくりと歩みを進めた。



そして、おれたちの前で歩みを止めると、



「退け」



と、一言低く唸るように、凜は光輝に向かって一喝した。





「・・・・・・お前か、例の未有ちゃんの担任ってやつは」



「……聞こえなかったのか?
退け、と言ったんだ」



一向に動こうとしない光輝に再び凜は声を掛ける。