第7話
我々は、麻薬密売人を追っていた。なのに何故?
あの二人は、杏子さん?先輩?どうして?そうして、もう一人の男は…
あの日から、先輩とは連絡が取れない。
我々は、次の内定調査をすべく、打ち合わせをしていた。そこへ…
電話が…。「班長、電話です。」「誰?」「名前、言わないです。」「うん、解かった!」
「もしもし…」「流か?」「はい」「俺だ」「…、どうして?」「解からない。この間のはお前らか?」

「やはり、先輩だったんですね」「そうだ」「何故?」「何故?それは、こっちが聞きたい」勿論逆探知してる。
   
「密告が、あったんです」「そうか」「でも、何故?」「…」ツッー、ツッー切れた。
   
先輩達の部屋は、がさ入れに、なった。何処が、どうなったんだ。追ってるはずの、先輩が?

じゃあ、杏子さんも…。もう一人の男は?あいつが、密告者。あいつが、密売人?

僕は、頭が混乱した。家に帰り酒を飲んで、眠りについた。途中、寝苦しくなって起きた。

”何か、変だぞ!何かが…。何時もの、自分の部屋の雰囲気とは、違う。”コップの置いてる位置。
本の、並び。微妙に、違う。”誰かが、入ってる!”一つ一つ、見渡した。

”ビデオテープ?”確かに、多い。全部、見てみる事にした。そして、一本のテープを、見つけた。

早速、本部に行き、処理してみた。上手く、写ってない。「止めて、アップして」「…」「処理して」
「杏子、お前何故、あそこに?」「…」「黙っていても、ダメだぞ!」「…」「言えよ!言ってくれ!」
肩を震わせながら呟いた。「ねえ、悟。こんな若い、女がどうして、日本までの旅費、出来ると思う?
中国はねえ、まだまだ、貧乏なの?そして、わたしみたいに、旅行出来る人は、数少ないわ。」「…」
「身体、売ったり。薬、売るのが、早いの!お金儲けが。お金が欲しいのよ!」「だからといって!」
「あなた達には、解からないわ。一生掛かっても」「…」「日本で、のん気に生活できて…毎日学校へ

行けて…。中国ではね、上流階級位にならないとね、子供の頃からは、行けないのよ。行きたくても
勉強したくても…世の中お金なのよ…」「だからといって、薬に手、出す事無いだろう。身体、売る事