ハンソク★リレー the Last name(仮)

謎の男は「頼れるだろう!」「頼れるだろう!」「頼れるだろう!」と何度となく繰り返し、

それがやがて壊れたCDのように止まらなくなり、

何回か同じセリフを発した直後に爆発した。



俺の体は謎の男の血を浴びて真っ赤になった。



「原因は空間分離……」と、俺はつぶやいた。


遠くで怪獣の鳴き声、

悲鳴、

ヘリコブターの音が聞こえる。


「ば、爆発した…。原因は空間分離…」


リビングのほうからは、「そんなのカンケーねー」と元気な声が聞こえる。

「そんなのカンケーねー」「どら焼きたべたのだれー」

その、はしゃいだ声はしだいに大きくなってきた。

「そうよ、空間分離よ…ところでどら焼…」「空間分離…お前にはまだ早いワン!」「空間分離とはマネキンのように…であって」「空間分離はね美の追求だと思うのよ…だって」「空間分離、でもそんなの関係ねぇ!」

頭の中で音がどんどん重なる。

効いた音が消えないで重なっていくような感じがする。

気が狂いそうだ。脳が音で満タンになる。

頼むから止めてくれ!