壁を壊すと見慣れた風景。 そこは俺の家だった。 俺の家といっても もう、何十にも重なりゆがんで見えた。 かろうじて俺の家であることがわかったのは、家の匂い。 “消去法ほど、信頼性の高い方法はない。”これが俺の持論だ。 つまり この場所は匂いが何もしない。 つまり、他人の家の独特の家臭がしない。 すなわち俺の家。ということだ。 『なかなか、利口だな。おまえのようなやつは初めて見た。この世界とともに消えていくのはもったいないな。』