「…おこってない、の?」 「怒るわけないやろ?心春はばあちゃんの大切な子やからな」 心春が何を言ったかわからへん。 けど、ばあちゃんから色々聞いてたから大体予想は付く。 笑顔を亡くした理由も、 涙を亡くしてた理由も、 ほんまは、わかっとった。 たくさん傷ついてきたことも、 たくさん苦しんできたことも、 心春が来る前から想像しとった。 俺ん中にある昔の心春が大きすぎただけやったんやな。 昔ばっかに囚われて、今の心春を しっかり見てへんかった。 俺は2人に気付かれないように、玄関を出る。