最後に“母”と言う文字が書かかれ思い切り破り捨てた。 「・・・だれが、母親だっつうの。」 それからは服を着替えて髪を直して、 ばーちゃんに言われた通り鍵は植木鉢の下に隠すと 行き方もわからない街を目指し、外に出た。 吐いた息はすぐに冬の風に触れ、真っ白に変わった。