帰っても、居場所なんてないけど知らない人ばかりのここよりはきっといい。
なんせ今までしてきた生活だ。
他人のおばあちゃんなんかにお世話になるよりよっぽどマシ。
「アホか。ばーちゃん待っとるで、はよ来い。」
「待ってなんか、って、やっ!」
彼は早足で戻ってきて、あたしの腕を強く掴んだ。
なにこの男!強引だし、最低!
「はよ行くで」と腕を掴んだまま歩き出す。
あたしも鞄はないわ腕を引っ張られてるわで、仕方が無しに諦めて歩き出した。
「自分で歩けるってば!」
そう腕を振り払って、彼から少し離れた後ろを歩く。

