「それね、小安く・・・」 彼の指はあたしの髪に落ちてきた雪を払うと、そのまま唇を撫でた。 その指は冷たくて、でもすぐに触れた彼の唇は暖かかった。 「はじめて・・・キスしたのもこの場所だったね」 10年前、ゆびきりと一緒に。