君だけのサンタクロース




「あ!逃げた!」



ゴローくんが指を差しながら叫ぶ。



「心春っ!塩や!塩もってきて!」



あたしはそうおばあちゃんに言われた通り、慌てて台所に走り調味料棚並べられた塩を持って家を出た。


家の前で続く道には、未だ箒を持って追っかけるおばあちゃんと、もう一度プロレス技を試そうとするエイジくんと、きゃぴきゃぴ笑ってるゴローくん。そしてそんな光景を見つめ笑ってるリキ。

あたしもなんだか笑えてきて、声をあげて笑った。