リキから箒を奪い、それを持ったおばあちゃんは、相手の尻目掛けて思い切り振りかぶった。 「心春は物ちゃうねん!」 「いでッ!」 バシッ、と音を立てSPのお尻にぶちあったそれは酷く痛そう。 「・・・お、ばあ・・ちゃ、…」 親の駒、そんな兄弟だった。親の顔のため、過去も今も未来もどう生きるか決められていた。 それがまるで正解だというように生きる兄や姉をみて吐き気がした。 だって、あたしは物なんかじゃなかった。 意志のある、生きた人間。 それをおばあちゃんは、何よりもあたしに教えてくれた。