コンクリートに火種を押し付ける。か細い煙と共に煙草の火は消えていった。 この街にほんの少しだけ想い出を感じる。 それは…きっとあのサンタクロースのせい。 12月25日は、世間ではクリスマスと呼ばれるもの。その日はあたしの誕生日でもある。 兄や姉には毎年必ずサンタクロースが来ていた。キラキラと輝く包装紙を腕一杯に抱え、嬉しそうに笑う2人の顔。 小さい頃さえあたしにはプレゼントなんてもらえなかった。