「朝倉君!今日は話聞いてくれてありがと!」 「エイジでえーよ。せやから俺も心春って呼ぶわ」 ふたり、ベンチから立つ。 「エイジくん、東京に帰るまでの間よろしくね」 心春は今日一番の笑顔を見せて、云った。 …あかん、やっぱかわええ。 最初に会った時の派手な格好より、今みたいな清楚な感じがたまらん。(めっちゃ俺のタイプや…) しかも内面も、大きく変わって見えた。 リキの、お陰か…。 走ってゆく彼女の背中を見て、俺も歩き出した。 頭の中に、昔のリキを思い出しながら。