エイジ君に街のことを教えて貰おうと思ったら「ちょっと時間ある?」と彼に聞かれて、近くの公園のベンチに腰掛けた。

エイジ君はその近くにある自動販売機で暖かいカフェオレを買って、あたしに渡してくれた。




「あたし、ね…リキの優しさがわかんないの。」


急にポロッと溢してしまったその言葉。

あたし、エイジ君に何を言ってるんだろう。


だけどそれは今、あたしの心を占めていて酷く苦しくて。

苦しくてたまらない。


彼の優しさは分からなくて、同情なのかなんなのか分かんないよ。

思い返せば、分からないことばかりだった。


あたしが寂しそうにしてたから、
あの場所に誘ったの?

泣いてたから、手を繋いだの?

なんで・・・なんで、
キスなんかしたの?


忘れろって言ったのも、
リキなりの優しさ?

それを気付かせるための、優しさ?