「ゴロー君の駄菓子屋さんに、 これと同じ瓶があったんだ」 彼女の笑顔はキラキラ、 夕陽にも負けず、 酷く眩しい。 ────なあ、リキ。 もしもその子が 約束覚えてへんかったら どうするん?────── 「リキ・・・どうかした、の?」 ────そんなん、 諦めるしかないやろ──── 気付けば、心春の家の前。 出てきた言葉は、 “さよなら”でもなく “またな”でもない。 「あんときのキス、忘れてな」 心春に、振り返ることはできなかった。