帰れと言われた だけど、私… 「帰れない……。」 『は?』 「私……帰る場所がないの。」 涙が溢れた そして涙が地面に落ち、染をつくる もう、帰る場所はない 帰りたくても帰れない 私は、聖アグリル祭に捧げられる、罪人という名の生贄だから 『…おまえ、名前は?』 「…リリア。 アダム・ウォレ・リリア。」 『リリア、ね。 俺はカーネル・ディナ・ウォルフ。 ついてきて。』 私はウォルフを見上げた そしてウォルフの後を追った