【続】俺様王子と秘密の時間



キョトンとするあたしの唇を、スッと親指でゆっくりなぞる千秋。



「きゃっ……」


千秋は覆い被さるようにあたしに身体を密着させてくるから、再びスプリングが軋む音が響いた。


……そして。



「お前が欲しい」


耳元に触れるように囁かれた。

吹きかかる息に身体をよじらす。



欲しいって……。

それはどういう意味なの?

前にも言われたことはあったけど今はどういう意味で言ってるの?



「もっとハッキリ言ってやろうか?」


ドキッ。

あたしはなんとなくわかっちゃったから、フルフルと頭を振った。



それなのにっ……!