キョトンとするあたしの唇を、スッと親指でゆっくりなぞる千秋。
「きゃっ……」
千秋は覆い被さるようにあたしに身体を密着させてくるから、再びスプリングが軋む音が響いた。
……そして。
「お前が欲しい」
耳元に触れるように囁かれた。
吹きかかる息に身体をよじらす。
欲しいって……。
それはどういう意味なの?
前にも言われたことはあったけど今はどういう意味で言ってるの?
「もっとハッキリ言ってやろうか?」
ドキッ。
あたしはなんとなくわかっちゃったから、フルフルと頭を振った。
それなのにっ……!
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