深くて激しいキス。
だけど全然、嫌じゃない。
こわばっていた身体から、ふにゃふにゃと力が抜け落ちて、今にも溶けちゃいそうになるくらい。
繋がった唇の中は熱を帯びてる。
ほのかに広がる苦味が、いつも千秋が飲んでいる缶コーヒーだって、あたしはすぐにわかった。
包まれた頬から千秋の体温を感じて……。
――もう、止まらなくなる。
味わうように舌を絡みつけて、さらに深く求めてくる千秋に、あたしはベッドのシーツを握りこむ。
何度も繰り返して、唇が離れる。
だけど……。
「もっと」
あたしを見据えて乱れた息を吐く千秋を、霞みがかる視界の中で見つめる。
「そろそろ限界なんだけど」
え……?
限界……?
ポカーンとしていると。
ギシッ……と突然スプリングが効いて、千秋が片腕で自分の身体を支えると、あたしのネクタイに手をかけてきた。


