【続】俺様王子と秘密の時間



「んっ……」


ちょっと強引に唇を押しつけるようなキス。


消毒液に包まれた保健室の匂いと、千秋の甘い匂いが混ざり合って、あたしの嗅覚を刺激する。


あたしの髪の毛に指を絡める。

髪の毛の先まで痺れちゃいそう。



千秋の匂いは甘い甘いスパイスみたいだ。

すぐに千秋だけに集中させられちゃって、他に何も考えられなくなって。


――夢中になる。




うっすらと目を開けると同時に千秋の唇が1センチくらい離れた。


ふぅ……って熱い息がかかる。


きっと、あたしの息も千秋にかかってるのかなって思うと、恥ずかしくて顔がじんわり熱くなった。




伏し目がちな表情にドキリと心臓が跳ね、あたしは目線を落とす。


けれど千秋の胸元に目がいって。


千秋は寝ていたせいか、ブルーのネクタイがほどけてしまいそうなくらい緩んでいた……。



ドキッ……。