涼しい顔をする千秋。
あたしはベッドに押し倒されて、千秋に両手の自由を奪われた。
「ちょ……ちょっと」
目をまん丸にして驚くあたしに、千秋は口端を吊り上げて笑った。
仰向けになった状態で千秋を見ると、長い前髪の隙間からブラウンの瞳があたしを見つめている。
「お前ってマジで頭わりぃな?」
「は……?」
急になんなのよ……。
確かに頭悪いことは事実だけど、この状況でそういう話するってなんかオカシくない?
「たまたまオレが寝てたからよかったけど、もし他の男だったらどうすんだよ?」
うう……。
痛いとこをつかれた。
「襲ってくれって言ってるようなもんじゃねぇの?」
「なっ……」
だって……あたしは、絶対千秋が居るって決めつけてたんだもん。


