絶対行かないんだから!
なんて決めていたクセに、あたしは今、保健室の前に立っている。
意地を張っても仕方ない。
気持ちに嘘つくなんて出来ない。
――ガラガラ。
シーンと静まりかえる保健室。
あれ……?
居ないの?
あの気まぐれ王子!
って、もしかして……。
あたしはスタスタ歩いて白いカーテンで覆われているベッドに近づくとソレを思い切り開けた。
――シャアアア。
「ちあ……き?」
思い切り叫んでやろうと思ったのに、あたしは声のボリュームを落とす羽目になった。
スースーと小さな寝息を立てて、千秋はケータイを手にしたまま寝ている。
な、なによぉおおおお。
自分から呼んだクセに。


