「ふーん」 その夜、夕食を済ませたあと、会社から帰宅したお姉ちゃんと話していた。 というか、相談していた。 「ふーんって……。あたしは悩んでるんだから……」 千秋と学校でヒソヒソ会ってることについて、なんで秘密にするんだろうって相談したのに。 お姉ちゃんったら、そっけない。 はぁあああああ……。 「千秋が考えてること、わかんないよ」 膝を抱えてボソッと呟くあたしに、お姉ちゃんはタバコに火をつけながらさらりとこう答えた。 「それはね、女にはわからない“男の気持ち”ってやつよ」