「その女はなんなわけ!?」
現れたのはあたしを捲し立てた、一番目立つ女の子。
「ひゃっ……」
千秋は軽くあたしを離すとすぐにあたしの腰に腕を回してギュッと引き寄せる。
「オレの女だ。可愛いだろ?」
挑発的な口調にみんなは唖然として静まりかえった。
胸を焦がすような言葉に頭のてっぺんがクラクラして、その瞬間あたしと千秋の距離は隙間なくピタリと重なったような気がした。
「千秋……」
まだ実感が湧かない。
確かめるように名前を口ずさむ。
「自信持てよ?」
千秋はあたしの身体を自分の方に向かせる。
向き合って視線が絡まる。
だけど堪えた涙がわずかに溢れてくる。
「夢みたい……」
呟いたあたしの目尻にスッと指を伸ばして拭ってくれた。
「夢じゃねぇよ。オレがどんだけお前を見てきたかわかってんの?」


