好きでたまらない。
もう、我慢出来ないくらい……。
勢いあまって倒れこんでしまいそうになるあたしを、千秋は両腕で抱き止めてくれる。
「積極的だな」
なんて声があたしの耳に届く。
久しぶりに感じる温もり。
大好きな甘い香り……。
暖かい千秋の胸の中に顔を埋めるあたしは、こみ上げてくる涙を必死に堪えて押し留める。
泣かないと決めたから涙は見せたくなかった。
「な…なに、あのメール……」
「ん?」
クスリと笑う気配がした。
ステージの上に立つあたしと千秋の声はピンマイクを通して響いている。
抱きしめられると千秋の心臓の音が聞こえて、暴れていたあたしの胸は落ち着きを取り戻していく。
さっき届いた千秋からのメール。
それは……。


