【続】俺様王子と秘密の時間



いつも絶対そんなこと言わないクセに……。

千秋を瞳に映したくて見上げる。

千秋がフッと微笑した直後に、あたしのポケットの中のケータイが震えた。

え……。

もしかして……。

微かな期待と震える指先でケータイを開くと、千秋からのメールだった。

それを読んだ瞬間、もう泣いてしまいたかった……。

夢のような言葉が綴られていて、早く“そうしたい”と思いながらあたしはもう一度口を開いた。



「でも……!」


止まない罵声を吹き飛ばすようにあたしは切り出す。

千秋に届くように……。



「でも今は違うの……!逃げてたのはあたしの方なのに、千秋はずっと信じてくれてた……」


脳裏に浮かぶ千秋の言葉。



『オレに言ったよな?去年の文化祭の日“もう逃げない”って?』


あの日、去年の文化祭の日に言ったあたしの言葉を信じてくれた。