あたしの臆病な気持ちを知っているから、今打ち明けられたって、そんなの知ってたって顔をしたままだ。
きっと次に口にした言葉であたしはブーイングの嵐を受けることになる。
それくらい安易に想像出来た。
でもこれは千秋への告白。
例え学校中の女の子を敵に回すことになったとしてもあたしは絶対ここから逃げない。
「だから……ほんとの気持ちを偽って、千秋の……彼女だって、言わないで隠してきた……」
言葉を繋ぐように口にする。
自分を守るための嘘をついた。
いつしかそれはもう戻れないところまできていたのに、気づかないフリをして誤魔化し続けてきた。
「うっ、嘘でしょ!?」
「はぁああああ!?」
「あの女頭イカれてんじゃん?」
「クスッ。あの容姿で彼女?」
「相手は氷のプリンスよ?」
女の子達の叫び声や文句が、笑い声や馬鹿にした言葉が体育館中を満たしていく。


