逢いたくて……。
逢いたくて……。
逢いたくて……。
「千秋……!」
――好きが溢れた。
気づいたらあたしは叫んでいた。
たまらなく好きな人の名前を。
涼くんがつけたピンマイクのせいであたしの声が体育館に響く。
ステージの前で見上げた先には、あたしを見てわずかに驚いた表情を浮かべる千秋が映りこんだ。
「あ……あたしの話を聞いてほしいっ……」
緊張して声が震える。
こんなことで緊張していたら告白なんて出来ないじゃない……。
ちゃんと伝えなきゃ。
みんなが何ごとだと騒ぐ声や、あたしが千秋って名前で呼んだことに女の子達の文句が飛び交う。
その時、ステージの上から声が降ってきた。
「いくらでも聞いてやるから、言ってみ?」
ピンマイクをつけている千秋の声も響いた。
微かに笑みを溢す千秋。
あたしはステージの上に居る千秋を見て口を開いた。


