頭を抱える羽鳥に、はーちゃんは人差し指をビシッと突きつけた。
はーちゃああああん!
あたしは、はーちゃんの腕に抱きついて羽鳥に軽蔑の眼差しを送ると、すぐに目が合った。
だからプイッと大袈裟なくらい顔を背けてやったのだ。
羽鳥は……最近、なんだか物凄く意地悪なことを言ってきたり……優しかったり、よくわかんない。
“そういうこと”なんてしてないし、まだ彼女でもないんだから聞かれても正直困るよ。
「おーい!ちょっとちょっと!」
そんな中、コウちゃんが明るい声をあげながら渡り廊下に飛び込んできた。
手には何かが握られている。
ヒラヒラ動く紙のようなもの。
「コウちゃんどうしたの?」
「うん!あのね、ちょっとコレ見てよ」
コウちゃんはニコニコしながら、その紙のようなものを広げた。


