「バカな女。自ら学校中の笑い者になろうとするなんてね。プッ」
ズキッ。
馬鹿にした複数の声が鼓膜に突き刺さる。
まともに聞いちゃダメ……。
聞きたくなんかないのにどんどん聞こえてしまう。
足が震えて動かないのは怖いからなの……?
――あたしはまた、逃げ出すの?
自分自身に問いかける。
逃げることはいつだって出来る。
だけど、もう逃げない、千秋が好きって気持ちを千秋に告白するチャンスはきっと今しかない……。
力一杯、苺ミルクのキャンディのビンを握りしめたら、暗い気持ちが吹き飛んで走り出せた。
「な、なにあの子!?」
「今終業式なのにどしたの!?」
「これから王子が話すのに〜!」
ステージめがけて走るあたしを、みんなが不思議そうに見て次々と口に出して、辺りは騒然とした。
先生達だってざわざわしてる。
でも、あたしはもう止まらない。


