あたしはフリーズした。
石みたいにカチカチだ。
だって……。
せ、せせせせ、セッ……
「な……なななな……」
もう言葉にならなかった。
あたしは羽鳥の無神経な質問に、怒りと恥ずかしさがこみあげてきて、ぷるぷると震えた。
「羽鳥のバカあああ……!!」
なんてこと言うのよっ!!
乙女に向かってそんなさらりと。
「ちげぇの?お前がニヤケ顔してっから、シイはアイツとヤ……」
バコンッ!!
鈍い音が響いて顔をあげると、はーちゃんが上履きで羽鳥の頭をひっぱたいた様子だった。
「デリカシーのない男は嫌われるわよ?」
「ってぇな……」
本当に痛そうだ。
たんこぶでも出来たんじゃない?
「聞こえてたわよ?シイにそういうこと言うんじゃないわよ。アンタと一緒にしたら可哀想だわ」


