羽鳥はさっきからコウちゃんの横に立ってるだけで一言も口をきかないしどこか上の空だった。
「んじゃ、オレ達も行こっか?」
コウちゃんの声に羽鳥が教室の出口へと歩いていく。
ダメ……。
今言わなきゃもう言えなくなる。
やっと見つけた気持ちをまた放り出すの……?
心の中で自分自身に問いかけた。
「羽鳥待って……!」
気づいたらあたしは横を通りすぎていく羽鳥のワイシャツをひっぱっていた。
その弾みで羽鳥の足がピタリと止まって振り返る。
勢いで引き止めてしまったあたしはきっとマヌケ面をしていたのに、表情を変えない羽鳥。
「話が…あるの……」
怒ってるわけでもなんでもない羽鳥の表情。
いつもの雰囲気と違うことを察したコウちゃんは苦笑いしながらはーちゃんの隣へ移動する。
「話ってなんだよ?」
「うん……」
「今更、改まってんなよ」


