下校する生徒達の波。
夕陽の中で固まっていたのはあたしだけだった。
羽鳥の言葉の意味を理解するのに数秒かかった。
あたしの気持ちを聞かせろって、今ここで告げろってことなの?
二人は真剣な顔をしていた……。
千秋と羽鳥はあたしに目配せし、ゆっくりした歩調で歩き始めた。
辺りを見渡すと気づいた。
正門前に居るあたし達を昼休み、渡り廊下に来たあの女の子達がニヤニヤしながら見ていたことに。
「シイ行くぞ」
羽鳥は黒いバイクを押しながら、あたしをチラリと見た。
正門前はあたしが二人に“告白”するには騒がしすぎる場所だ。
「……」
無言のままあたし達3人は学校から離れた場所へ歩いた。
あたしの左側に千秋。
あたしの右側に羽鳥。
初めての状況に真ん中を歩くあたしの胸はそれだけで充分に加速していく。


