「シイ!」
昇降口を出るとはーちゃんがあたしの元へ来た。
昼休みのことがあったから、はーちゃんはまだ怒った顔をしてる。
「夕方から雨が降るらしいから、これ、貸してあげるわ……」
はーちゃんは昼休みのことは一切言わずに、あたしに赤い傘を握らせた。
「雨降りそうにないよ……?」
「天気予報で言ってたのよ」
「でも雨降ったらはーちゃんが濡れちゃうよ?」
「あたしは慎と帰るからいいの」
少し離れた場所で佐久間くんがこちらを見てる。
「シイは意気地無しよ」
「うん……」
「でもきっと自分に正直になってくれると思ってるわ……」
はーちゃんの言いたいことはわかってる。
「はーちゃん、ありがとう」
あたしがそう告げるとはーちゃんは佐久間くんの方へ行き、二人で帰って行った。


