「どうしてわからないのよ!?」
一向に口を閉ざし俯くあたしの胸ぐらを掴み思い切り引っ張った。
グッと前のめりになるあたしの顔をキッと睨む。
「どうして……どうして王子の気持ちがわからないのよ……」
はーちゃん……。
いつだって冷静で真っ直ぐなはーちゃんがこんなにも怒りを露にするなんて初めてのことだった。
「去年王子に気持ちを伝えられなくて勇気がなかったアンタより、今のアンタの方が大嫌いだわ!」
バシッと手を離すと微かに震える声で言い放つ。
去年は気持ちを伝えることもしないで諦めようとした。
そんなあたしの背中を押してくれたのは、いつだってはーちゃんだったのに。
自分勝手な考えばかりな今のあたしはなんなんだろう。
くるりと背を向けたはーちゃんの足に、置いてあるあたしの飲みかけのパックのお茶がぶつかって中身が溢れる。
気にもせずに出口へ足を進める。


