「わたしはそろそろ帰るわね?」
「えっ」
「大学に行く途中で、外に雅弥のバイクがあったから、サボってるのかなって思って来ただけなの」
そう言ってあたしにバスタオルを渡してくる。
なんでバスタオル?
「雅弥に渡してね?クスッ」
受け取ってキョトンとしているあたしにユリさんは笑顔を溢した。
パタンッとドアが閉まりユリさんが帰ったあと、あたしは意を決して廊下を進んでいく。
てゆーか羽鳥はどこなの?
さっきから声すら聞こえないんだけど。
――サアァァァ
洗面所から水の音が聞こえた。
もしかして……。
恐る恐る洗面所を覗く。
「嘘……」
ちょ、ちょっと……。
羽鳥はあたしに背を向けた格好でシャワーを浴びているけど、驚いたのはお風呂場がガラス張りだからだ。
腰から下は曇りガラスで見えないようになってるけど上半身は見えている。


