「ちょ……」
「この人、美結のこと盗み撮りしたんですぅ」
猫なで声で言う。
相変わらずな美結ちゃん。
「だから、僕は撮ってない」
「涼くん、ほんとに撮ってないの?」
うーむ。
二人は撮った撮ってないで言い争ってるみたい。
新聞部の涼くんならありえそうだし、学校の有名人ばかり撮るからなぁ……。
「撮るわけがないだろう?こんな女に僕は興味ないんだからね」
「なんですって!美結だってアンタみたいな童顔に興味ない!」
あらら……。
美結ちゃんはあたしから離れて涼くんに詰め寄る。
逃げるなら今だ……!
あたしはそろりと階段を上がり二人から逃げ出したのだ。
ふぅ……。
ほんと朝から強烈。
二人の言い争う声はしばらく続いていた。
なかなかお似合いな二人かもしれない。


