「シイに出来るわけねぇよ」
はぁっとため息をついた羽鳥。
「あっ!羽鳥もそう思う?川村さんに二股なんて……」
「アホ。そういう意味じゃねぇ。シイだから出来ねぇんだよ」
ポカーンと口を開ける女の子達。
「あっちもこっちもいいなんて、がっつくお前らみてぇにシイは軽くねぇんだよ」
そういうと羽鳥は野良犬でも追い払うかのように、女の子達にシッシッと手を払う素振りをした。
あたしの首に回した腕にギュッと力をこめると、自分の頬に引き寄せる。
羽鳥の口から漏れる吐息がダイレクトに伝わる。
涙腺がじわじわと緩んだ。
ドキドキとかそういう気持ちよりも羽鳥の言葉が嬉しかったから。
「ねぇ、自分の立場とか容姿、わきまえなさいよ?」
「え?」


