「シイになんの用だよ?」
「お前に関係ない」
「シイが困ってんだろ?」
「負け犬にしつこくつきまとわれる方が、困ると思うけど?」
――ダンッ!
激しい音にギュッと目を瞑り、開いた時には机は倒れ、羽鳥が千秋の胸ぐらに掴みかかっていた。
「すぐそうやって熱くなって。嫉妬丸出しか?」
「わりぃか?」
「別に?虚しいな、お前?」
「これ以上シイに近寄るな」
羽鳥をからかうように鼻で笑う。
千秋は微塵も表情を変えない。
そして羽鳥の手を掴んで振り払うと、千秋はあたしの耳元に唇を寄せる。
「放課後、禁断の部屋においで」
こんな状況にはそぐわない余裕の笑みで言うと、ざわざわと騒がしくなった教室から出ていった。
いつもはメールで呼び出すクセに、今日は直接言ってくるなんて。
千秋はいつもと様子が違った。
こんな時でさえあたしは千秋のことばかり。


