あたしと千秋の秘密の関係がもしバレたら、あたしは学校中の女の子達を敵に回すことになる。
あたしは間違いなく、地獄を見ることになる。
千秋がせっかく不安を解いてくれる言葉をくれたのに、今さらバレるのが怖いと思うなんて……。
矛盾だらけのあたしは臆病者だ。
ドクン……ドクン……。
あたしに痛い視線を浴びせるのは、教室や廊下からこっちを睨みつけている、紛れもなく王子ファンの女の子達だ。
千秋は一体なにを考えてるの?
いつもこうやって、絶妙なタイミングであたしを揺さぶってくる。
そして千秋はあたしの髪を掬い上げるように触ると、フッと笑う。
「なに俯いてんだよ?」
「……っ」
「このオレが会いに来てやったんだから、もっと嬉しそうにしてみろよ?」
挑発的な台詞を吐いた。
女の子達はよりいっそうあたしを睨むと、そのうちの一人が物凄い剣幕でこっちにやってきた。


