はーちゃんの声がやけに響いた。
ねぇ、はーちゃん?
恋をしてるのは女の子だけじゃないよね。
誰だって恋を知って、好きになって、誰かに夢中になって、それぞれの恋の形があるんだよね。
その言葉を噛み締めて、あたしはもっと自分の気持ちを素直に伝えようと思った。
中途半端にしちゃいけない。
千秋にも、羽鳥にも……。
そう決心したというのに。
「きゃああああああああー!」
こ、この歓声は……。
女の子達の甲高い黄色い悲鳴に、恐る恐る顔を上げると、あたし達の教室に千秋が入ってきた……。
「麗しの王子様ぁああああ」
「誰に用かしらぁん」
なんて女の子達の囁きが次々に耳に入る。
う……嘘でしょ……。
いや、まだあたしに用があるって決まったわけじゃないんだから焦ることはない、ハズだ……。


