他人のことはよく見えるのに、どうして自分のことになると全く見えなくなってしまうんだろう?
時刻はお昼休み。
ざわざわする教室ではーちゃんとお昼を食べていた。
「それで?どうしたらいいかわかんなくて、悩んで寝不足だからひっどい顔してるわけね?」
「ん……」
あたしは食欲が湧かず苺ミルクを飲んでため息ばかりついていた。
「んー。あたしはシイのお姉さんが言った通りだと思うけどなぁ」
「ハッキリ言うってこと?」
「そうよ?中途半端はよくないと思う」
「うん……」
はーちゃんは焼きそばパンをもぐもぐ頬張る。
「あ。ねぇ?王子ってシイのこと中3の時から見てたんだっけ?」
「ぶはっ……」
唐突、聞いてくるからビックリして苺ミルクを吹き出してしまう。
はーちゃんには去年、文化祭が終わった頃くらいに、そのことを打ち明けてはいたけど。


