「煽るなんて……」
あたしも身体を起こす。
千秋があたしから離れたから、なんだかとたんに欲張りな気持ちが沸いてきたことに驚いた。
離れないでほしいって思ったのは千秋の熱に侵されたせいだろうか。
「……ひゃあああっ!」
突然、千秋があたしの腕を掴むから引き寄せられてしまった。
そして千秋の膝の上に座らせられる。
それも向き合うような形で。
「や……やだっ……」
こんなの恥ずかしくて耐えられないよぉ。
千秋は顔を伏せるあたしを無理矢理、自分の方へ向ける。
「“やだ”?そんなのオレが許すと思ってんの?」
「なに言って……」
千秋の熱い吐息がかかる。
鼓膜をくすぐられてるみたいで、千秋の膝の上で身をよじる。
「ちゃんとオレを見ろよ?」
ドキン……ドキン……。
言われた通りに目線を移す。


