けれど千秋に触れられるのは嫌じゃない。
ただ恥ずかしいから戸惑ってしまうだけで。
「……っ」
待ちわびていたかのようにキスを落とす。
あたしの戸惑いなんて気持ちを取っ払ってしまう程、とろけてしまうような熱い口づけだった。
――グイッ
千秋の腕があたしの腰を引き寄せ、ピタリとくっついた身体はお風呂上がりの時のように火照る。
「甘い」
「へ……?」
あたしの首筋に唇を押しあてて、ふいに顔を上げる。
「しゃ……シャンプーかな…?」
お風呂に入ったからあたしの髪の毛から、シャンプーの匂いがしてるってことなのかと思った。
てゆーか、いきなりなに言うの?
千秋はあたしの顎を親指と人差し指で摘まむと、クイッと上に向かせ、熱の交じった声で言った。
「お前の匂いだろ?すげぇ甘い」


